[実験]陶器の染まりと予防

雑記

「器の釉薬のかかっていない部分の染まりが気になる」とのご相談を受けました。
陶器は使っていくうちに貫入や土が染まるなど経年の変化のたのしみがあるものですが、不特定多数のお客様にお出しする場合や、変化が急すぎる場合があります。
この陶器の染まりについて、昔から伝わる扱い方法と何も施さない場合についてを実験によって確かめてみました。

※なお、ここで紹介している方法をやるばあいは自己責任でお願いいたします

結論

「何も施さない」場合に比べて、「使用直前に熱湯に浸ける」「とぎ汁で目止めする」場合
では染まり具合、におい残りがだいぶ防げた。

使用素材と実験方法

  • 条件
    • 同条件で制作された湯呑みを使用し、以下の3種類で試す
      • 「何も施さない」
      • 「使用直前に熱湯に浸ける」:使用直前に5分間熱湯に浸けた
      • 「とぎ汁で目止めする」:事前に米のとぎ汁で20分間煮た後に冷まして洗う
  • 方法
    • 【1回目】それぞれの器に、濃いめに出したコーヒーをコーヒーガラごと注ぎ、1時間放置する。その後、水で洗い乾燥
    • 【2回目】「使用直前に熱湯に浸ける」以外は何も処置をせずに、濃いめに出したコーヒーをコーヒーガラごと注ぎ、1時間放置する。その後、水で洗い乾燥
    • 熱湯を注ぎ8時間放置後、なかみをこぼして乾燥を6日間くり返す
とぎ汁で目止めしている様子
コーヒーを注ぎ1時間放置

感想

結果をはっきりと出すために、実用の想定を超える使用状況で実験しましたが、「何も施さ
ない」場合は想像以上に染まりもにおい残りもしました。とくににおい残りについては「とぎ
汁で目止めする」は大きな差が出たため、食器などではその効果が期待できるでしょう。
なお、染まり始めは染まった部分とそうでない部分のコントラストが大きく「染まった感」が強
かったが、時間経過とともに土の部分が染まり始め、着色の「落着き」が出始めた感じが
しました。これが長く続くと貫禄に変わり、器の育ちを感じるようになるのだと思いました。

結果の一覧

実験後の高台部分の様子

左から「何も施さない」「使用直前に熱湯に浸ける」「とぎ汁で目止めする」

実験前の状態
1回目:「何も施さない」は高台周りが染まった
2回目:「何も施さない」は染まりが強くなり、「使用直前に熱湯に浸ける」も染まり始めた
約1週間後:どれも全体に染まった。「熱湯」と「目止め」は器の個体差が出たか?

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